セキュリティ

ハッキングとクラッキングの違いについて解説

セキュリティに関して興味を持っている人たちにとって、ハッキングとクラッキングの違いってなんだろう?と疑問に思う人は多いでしょう。ハッキングとクラッキングは、IT業界でよく使われる言葉ですが、意味や目的には違いがあります。今回の記事では、ハッキングとクラッキングの違い、ハッキングやクラッキングで使われる技術、そして対策について説明します。

また本記事では途中でハッキングの手口について解説しているページを紹介していますが、以下の書籍の内容を参考にしています。ハッキングの技術的なことが知りたい方は参考にしてみてください。とてもおススメです。

ハッキングとクラッキング入門

ハッキングとクラッキングはどちらもコンピュータシステムへの不正アクセスを行いますが、その動機や方法は大きく異なります。

ハッキングとはシステムの脆弱性を探り、潜在的なセキュリティ上の欠陥を特定するためにシステムにアクセスする行為を指します。ハッカーはしばしば「ホワイトハットハッカー」または「倫理的ハッカー」と呼ばれ、悪意のある人に攻撃される前に脆弱性を修正することで、システムのセキュリティを強化するためにそのスキルを使用します。

一方クラッキングとはコンピュータ・システムやソフトウェアの侵害を目的とした違法行為を指します。一般的に「ブラックハットハッカー」として知られるクラッカーは不正アクセス、データの改ざん、機密情報の窃盗などの活動を行いますが、彼らには悪意があり、その行為は社会に悪影響をもたらすことが多いです。

一般的なハッキング技術

ホワイトハッカーが使用するようなテクニックには、以下のようなものがあります。

ペネトレーションテスト(侵入テスト)

倫理的ハッキングとしても知られるペネトレーションテストではシステムの弱点を特定するために実際の攻撃を行います。組織が自社の脆弱性を理解し、セキュリ ティを強化するための対策を講じるのに役立ちます。ペネトレーションテストは許可を受けたうえで合法的にハッキングを実施するのと同様なので攻撃手法に関連した知識が重要視されますが、以下のページでリモートコード実行やキーロガーの作り方を解説してますので気になる方は参照してみてください。

ソーシャル・エンジニアリング

ソーシャル・エンジニアリングはヒューマンエラー等を利用してシステムに不正アクセスするものです。ハッカーが巧みな話術で個人を操作して機密情報を開示させたり制限された領域へのアクセスを許可させたりするほか、フィッシング、おとり、なりすましなどのテクニックも含まれます。

ネットワークスキャン

ネットワークスキャナーなどを使用してネットワーク上で稼動しているシステムやオープンポート、そしてオープンしているポートからサービスを特定します。ネットワークスキャナーの有名なツールとしてnmapなどがありますが、使い方に関して以下の記事でまとめていますので興味ある方は参照してください。

一般的なクラッキング技術

クラッキングテクニックは、悪意のある人がセキュリティを侵害し、脆弱性を悪用する目的で使用します。一般的なクラッキング技術には、以下のようなものがあります。

パスワードクラッキング

パスワードは、システム・セキュリティの最も弱い部分であることが多いです。クラッカーは、ブルートフォースアタックや辞書攻撃など、様々な方法を用いてパスワードを推測またはクラックし、システムやアカウントに不正にアクセスを行います。

リバースエンジニアリング

ソフトウェアやハードウェアを分析し、その機能を把握したうえで脆弱性を突いたりすることです。クラッカーは独自開発されたソフトウェアなどをリバースエンジニアリングして、不正な改変を加えたり悪意のある目的に悪用できる脆弱性を見つけたりすることがあります。

ハッキングとクラッキングに関する注意事項

ハッキングやクラッキングに関する法的な扱いは国やどういう意図で行ったかによって異なります。倫理的なハッキングは、システム所有者の許可を得て行われセキュリティの向上を目的としていますが、無許可のハッキングやクラッキングは言うまでもなくほとんどの場合で違法です。ハッキング活動に従事するにあたっては、法律をよく理解し、事前に承認を得ることが不可欠になります。

クラッキングの防止策

クラッキングの試みから身を守るためには、個人も組織も強固なセキュリティ対策を実施する必要があります。効果的な防止策としては次のようなものがあるでしょう。

強力なパスワード

複雑なパスワードの使用を強制し、定期的にパスワードを変更するポリシーを導入します。これに加え多要素認証を導入することでセキュリティをより強化できます。

ソフトウェアの定期的な更新

すべてのソフトウェアとOSに最新のセキュリティ・パッチを適用します。古くなったソフトウェアの脆弱性は、ハッカーに悪用されて不正アクセスを受ける可能性があります。脆弱性診断業務を行っていると特にこのソフトウェアの更新ができていないことにより危険度の高い項目が検出されているケースが多いです。他の項目の対策ができていてもこの部分については導入・開発・運用を担当しているベンダーに任せっきりで対応できていないといったことが多々あります。

ファイアウォールと侵入検知システム(IDS)

ファイアウォールを導入し、ネットワーク・トラフィックを監視・制御します。IDSは不審な活動を検知して警告し、潜在的なセキュリティ侵害を特定するのに役立ちます。

従業員のトレーニングと意識向上

フィッシングメール、不要なダウンロードの回避、セキュリティインシデントの迅速な報告などについて従業員を教育する。

セキュリティ対策の最新情報の重要性

ハッキングやクラッキングの分野は常に進化しており、新しいテクニックや脆弱性が定期的に出現します。そのためサイバー脅威から効果的に身を守るためには、最新のセキュリティ対策に関する情報を入手することが重要です。また、定期的な脆弱性診断、侵入テストを実施することで潜在的な弱点を特定し、セキュリティ対策を最新の状態に保つことができます。

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